生態系保全研究部門
生態系の保全のため各種生態系の構成生物の多様性や物質循環を通しての生物の相互の関係などの研究および、生態系の成立機構の解明をめざす。既に自然生態系が人間活動の影響を受けていること、そしてその修復手法も念頭におく。
研究領域 | 担当教員 | 職名 | 研究内容 |
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水圏生態系動態 |
伴 修平 |
教授 |
湖沼や河川・海洋など水圏生態における (1)プランクトンや微生物・底生動物などの生物群集の動態、(2)炭素、窒素、リンなどの主要生元素、鉄などの微量必須元素、天然有機物などの化学成分の循環と相互関係を物理的環境の変動をふまえて、水圏生態学と地球化学の観点から総合的に研究する。モデル実験による要因解析を並行して進め、大気・湖沼や河川・海洋の内外における観測で得られた結果と併せて、水圏生態系のダイナミズムを地域的、地球的視点において解明する。 |
陸圏生態系動態 |
野間 直彦 |
准教授 |
陸上生態系の生物多様性保全と生物資源利用に資するため、種、生態系、遺伝子レベルのシステム構成要素と要素間関係を主な研究対象として、個体群動態、一次生産、物質循環、繁殖生態、生態系の修復・再生に関する研究に取り組む。現在の研究課題には日本の温帯林生態系や湿地生態系の再生機構における動植物関係、メタン吸収機構の解明、里山林管理と獣害、植物の資源競争による空間パターンの形成と進化・適応に関する理論などがある。 |
集水域環境動態 | 後藤 直成 尾坂 兼一 肥田 嘉文 工藤 慎治 |
教授 准教授 講師 講師 |
琵琶湖を主要なモデル系として陸域生態系と水域生態系で構成される集水域を一体的に捉えて、物質動態と水環境の保全について研究する。 (1)陸域生態系については、非特定汚染源(林地、農地、大 気降下物、地下水)における物質動態解明と汚濁削減技術、水環境の復元と自然浄化機能の評価と活用、河川・ 湖沼の水環境の保全、外因性内分泌撹乱物質などの環境汚染物質の環境動態と環境影響の定量的評価について研究する。 (2)水域生態系については、湖沼とその集水域において生物を構成する炭素・窒素・リンなどの生元素化合物の分布構造と、それらの生物地球化学的循環過程を環境科学的に研究する。 |