アメリカ留学レポート

国際コミュニケーション学科  杉山 伊織さん

アメリカ スカジットバレーカレッジ

 こちらに来てから4ヶ月程経ち、秋クォーターを終え、冬休みも終盤です。そんな私の視点から秋クォーターはどのような生活だったのかを紹介していきます。ここでは、こちらでの生活のマイナス面もいくつか取り上げつつ、留学を決意する際に大切なことも考えていきます。あくまで個人的な意見ですので、参考程度に受け止めてください。
まずはこちらでの大まかな日常を紹介します。私が受けていた授業はほぼ全て午前中で終わってしまうため、午後からは完全に自由でした。授業が終わったら友達と一緒に昼食を食べ、その後は昼寝、課題、趣味をし、夜は友達のところへ遊びに行く、またはパーティに行くというのが日課でした。このように一日に授業が3・4つしか入っていないため、自由に使える時間がたくさんあります。そのため、人と接する時間以外にも、自分ひとりの時間も十分につくれます。しかし、裏を返せば、授業以外の目的で外に出ることがなく、自分の部屋にこもり続ける生活になる可能性もあります。それは、自分の英語力不足による不安感から起こるかもしれませんし、周りの人間とのミスコミュニケーション、或はディスコミュニケーションが原因で起こるかもしれません。実際に、部屋から滅多に出てこない生徒もいるそうですし、そうならないようにカレッジ側からも注意がかけられています。
次に寮生活について紹介します。寮に住む場合、ルームメイトがどんな人かによって、生活は大きく変わるでしょう。わたしのルームメイトは2人のアメリカ人と1人のブラジル人ですが、掃除の仕方やキッチンの使い方など価値観の違いから生まれる様々なストレス、トラブルがあります。ただ、ルームメイトと共有するのはキッチンやトイレだけで、一人ひとつの個室が設けられており、ある程度のプライベートは護られます。
寮で生活する上で、このようなことが原因でトラブルに発展することも少なくありません。毎晩ルームメイトが友達を呼んでお祭り騒ぎのため、夜も眠れないという話も少なくありません。しかし、これら以外のことに関しては、本当に良い人達で、普段は一緒によくゲームをしますし、アメリカ人のルームメイトはシアトルに連れて行ってくれたりしました。
  このように、国による文化や価値観の違いを存分に感じることができるのは留学の良いところだと感じますが、人によっては相当なストレスになり得ますし、それによって生活を崩されることも考えられます。そのため、留学を決意する前に、自分の性格や能力をきちんと知る必要があります。例えば、他人と関わるのがどの程度好きか、自分の意見を正直に相手に伝えられるか、ストレスを溜め込むタイプかなど、様々な要素を考える必要があると考えます。「国際コミュニケーション学科に入ったのだから、留学はしておきたい」「友達が留学するから自分もしよう」というような理由だけで留学をするのはリスクが高いと言えます。また、「留学によって価値観や人生観が変わるかもしれないから、取り敢えず留学しておこう」という結果論的な考えもまたリスクが高いと言えます。留学にはそれなりに時間もお金もかかりますから。
この文章を読んでいると、私は留学生活を楽しんでいないように感じるかもしれませんが、そうではありません。これほどの短期間で自分の成長を感じることはないと思えるくらいに既に多くのものを得られましたし、留学をして本当に良かったと感じています。それに、スカジットバレーカレッジは素晴らしいところです。しかし、留学を決意する前に自分の性格や能力を把握した上で、留学をした場合何を得られそうなのか、どのような負の部分がありそうなのか、また留学をしなかった場合日本で何ができそうなのかを吟味することも大切だと思います。留学を考える上で忘れて欲しくないことは、「日本でも出来ることはたくさんある」ということです。 次回はこのカレッジの良さをビシバシ紹介していきます。

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