アメリカ留学レポート2

国際コミュニケーション学科  峰 汐里さん

アメリカ Oakland University

 ここオークランド大学に来て早くも2か月が経とうとしています。日中は日差しがあるとまだ暖かい日もありますが、どんどん寒くなってきました。この2か月は信じられないほどあっという間だったように思います。ここでの生活にも少しずつ慣れ、友達も増えてきました。まだまだ悩むことだらけですが、少しずつ楽しくなってきたように思います。10月はハローウィーンの時期ということもあり、いろんなイベントが行われたりして全体的にとても盛り上がっています。

 今回は教育に関する授業で行っている実習について書きたいと思います。この授業では1セメスターにつき30時間実習に行く必要があります。車を持っていない私は大学内にある保育所のようなところに週に2回2時間ずつ通っています。15人ほどのクラスに1人の先生がいて学生が2,3人いるといった感じです。この大学ではもちろん、日本にいるときでさえも教育については一切学んだことはないので不安でいっぱいでしたが、これも経験の1つだと思って参加させてもらっています。

 まず、実習初日、私は言われた通りの教室に入り、その後は先生がなにか指示をくれるものだとばかり思っていました。しかし、実際には私が入ってきたことにも気づかず、誰も声をかけてくれる人はいませんでした。そもそも大学というところがそうであるはずなのですが、日本にいるときにはどうしても受け身になっていたことが多いように思います。しかし、ここではそれでは何もできません。自分から声をかけ、どこに鞄を置いたらよいのか、何をしたらよいのか、自ら動かなければ何も始まりません。日頃から受け身で生活していた私にとってはすでにそこから苦労しました。その後も誰からも指示がもらえるわけでもなく、ほかの学生は慣れているようなので積極的に参加していましたが、私はほとんど見ていることしかできませんでした。このままではまずいと思い、次の日から積極的に子どもたちの中に入っていこうとはしていますが、なかなかうまくいきません。まず、言葉が違います。同じ日本同士であっても小さな子どもの言っていることを聞き取るのは少し難しいのに、英語を聞き取る力の弱い私には、最大の試練です。同じ大学生ならまだしも、小さな子どもたちには留学生だから英語が苦手だなんてことはわかりません。先生にはたくさんお話したいもので、聞いてと言わんばかりに話しかけてくれます。必死で耳を傾けてはいるのですが、半分以上は聞き取れていません。そしてうまく返事もできません。子どもたちには申し訳ないと思うし、自分でも非常にもどかしさを感じているある日のことです。1人の子どもにこんなことを言われました。Can you speak English? さすがにこれにはかなりへこみました。子どもってほんとに素直だなと思いました。またある日にはこんなことがありました。1人の女の子が小さな動物の人形をたくさん並べて遊んでいると、別の女の子がやってきて黙ってその子の人形を何個か取ってしましました。取られた子はすごく悲しそうな顔をして私を見てきました。取られた子にも取った子にも言いたいことはたくさんありました。先生ならば言わなければなりません。しかしうまく言葉が出てこずに、ただただその子の背中をさすってあげることしかできませんでした。自分の無力さに絶望しました。

 日々の生活にさらにプラスしてもどかしさを感じて悲しくなることばかりですが、子どもたちは本当にかわいくて、私のしたかったことをさせてもらえているので、落ち込んでばかりではなく、楽しんでいきたいと思います。そして何より、なかなかできない貴重な体験をさせてもらえていると思うので、自分の幼稚園時代のことを思い出して日本とアメリカの幼児教育の違いを肌で感じて学びたいと思います。

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大学内の保育所の様子

寮の仲間とcarving
寮の仲間とcarving

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かぼちゃ畑にて