中国留学レポート2
地域文化学科 平山開士さん
中国 内モンゴル民族大学(2)
◇半年が過ぎて
通遼市内
去年9月から始まった留学生活も半年が過ぎました。中国では祝日が西暦に基づかないので年末年始には期末試験がありました。私は中国語準備コースにいるので試験も中国語に関するものだけです。試験前には先生が試験内容を事細かに教えてくれ、果たして試験の意味があるのかと思いながらも、本当にその通りに出題される試験を受けていました。
1/30から始まったこちらの旧暦の正月ムードもようやく冷め、2ヶ月近い冬休みも終わろうとしています。他国の留学生は大半が一時帰国し、こちら現地の学生たちもみな帰省してしまいました。
この長い冬休みは、帰省したこちらの知り合いの学生と連絡をとり旅行がてらに実家を訪ねながら過ごしたりしています。広大な土地をもった中国では長距離の移動は当たり前のようで、鉄道やバスでの格安な長距離移動が可能です。また客好きの中国の人々は非常にもてなしが厚く歓迎してくれます。
◇内モンゴルという土地
長春駅にて:列車で気軽に長距離移動ができます
前回の留学日記にて書きましたが、私が今留学しているのは中国でも内モンゴル自治区という少し特殊な場所です。一昨年モンゴル語を勉強した身としては、こちらのモンゴル族の人々とはモンゴル語で、それ以外の人々(主に漢族の人々)とは勉強して中国語で話したい!と思っていました。
しかしいざ来てみると、去年モンゴル国に一年いた私でさえもはやモンゴル族と漢族の人々の違いなんて見てもわかりません。服装、髪型、雰囲気どれをみてもモンゴル国のそれとは少し違い、街中を歩いていても見分けがつきません。
これは通遼にきた初日のことなのですが、通遼空港に降り立った私は大学の迎えを待っていたのですがいつまでたっても一向に来ません。まいったなぁと思い、当時中国語で簡単な会話もできなかった私は、ここはモンゴル族の人を探してワケを話し電話を借りようと思いました。
すると近くにモンゴル人特有の大きなガタイをしたいかにもモンゴル人のお兄さんがいるではありませんか。しかし念のため一言目はとても簡単な中国語で聞いてみました。「あなたはモンゴル人ですか?」答えはあっさりしたものでした。不審そうに私を見て「違う」と。
それ以降も留学当初は、中国語がほとんどわからない私はモンゴル語で会話がしたく、例えばタクシーに乗り運転手がいかにもモンゴル族の人だったりすると「あなたはモンゴル人ですか?」という質問を事あるごとにしていました。しかし返ってくる答えの多くは「違う」です。
内モンゴル自治区とはいえ人口比はモンゴル族が圧倒的少数になっていることも理由の一つなのでしょうが、現地の人々を見ていると、モンゴル族同士でも初対面の場合は見分けがつかないのか便宜上中国語で会話をしていました。そしてどこかの拍子で相手がモンゴル族だとわかると急に会話が中国語からモンゴル語に変わるのです。現地の人でも便宜上そうしているのを見て、今では私も一言目からそういった質問をすることはやめてしまいました。これもこの地ならではの特殊性なのでしょう。
モンゴル世界と中国世界という二つの顔を持ったこの地で、残りの半年間楽しみながらより多くのことを学べたらと思っています。