ドイツ留学レポート(4)

環境科学部  山元 周吾さん

ドイツ留学レポート(4)

★冬のアウクスブルク
 1月、今年は例年よりも雪がたくさん降りました。華やかで活気溢れたクリスマスマルクトも終わり、アウクスブルクも新年を迎えました。日本と比べるとドイツの元旦はなにもイベントがありませんが、大晦日の夜はカウントダウンと同時に辺りは大音響に包まれます。街の至る所で打ち上げられる花火や救急車のサイレンや悲鳴のような歓声は、まるで戦場にいるかのような危険な年越しです。アウクスブルクで過ごしたジルベスターの思い出は写真には撮れないものでした。
 クリスマスから大学も2週間ほど冬休みになります。長い休みには学生も含めドイツの人々はやはり家族と過ごす人が多いようです。私も友達の家族と一緒に教会へミサを聴きに行ったあとイヴを祝い、また、友達で集まりパーティをしました。日本でクリスマスはたくさんある年中行事のひとつですが、ドイツでは一年で最大のイベントです。早い人では2ヵ月以上前から準備をし、期待に胸を膨らませクリスマスを楽しみます。

アウクスブルクのクリスマスマルクト
アウクスブルクのクリスマスマルクト
バートテルツのクリスマスマルクト
バートテルツのクリスマスマルクト

★なんちゃって山岳狂会
 ドイツへ留学して以来ずっと、毎週土曜日に山登りをしています。晴れの日はもちろん、雨の日も風の日も雪の日も登山をしました。山はその日の顔があるのです。ドイツで登山と言えばバイエルンにあるアルプスです。元旦にはドイツ最高峰ツークシュピッツェ(2,962m)の頂上から初日の出を見ました。自然科学や地理学を学ぶ私にとって山から学ぶこともたくさんあります。ドイツの景観は美しいです。牧草地と森林はモザイク状に広がり、豊かな緑に囲まれまとまった街や村は赤瓦屋根を一層引き立たせます。山は良いです。麓から眺めるバイエルンの風景にいつも言葉では表せられない感動を覚えます。ドイツに留学して最も心ふるわせたことはこの感動できる新しい瞬間に出会えたことかも知れません。

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なんちゃって山岳狂会でドイツの山々を登山

★日常生活ひとこと集
 毎日ビール飲まないし、ソーセージ食べない。毎日洗濯しない。お風呂の人気はいまだ低迷。注意しないと自転車に轢かれる。学生は授業中寝ない。ハグするタイミングは難しい。街の大衆食堂は安くておいしい。テレビゲームをする女性は珍しい。ドイツ人男性は意外とノンジェントルマン。ドイツ人の綺麗好きで時間に正確な印象はイメージ止まり。カラオケはないが歌好きな人が多い。ドイツ人は食べ歩きが得意で立ち読みをしない。大抵は隣人と仲が良い。パンの種類が多い。お店の開店時間が短い。自動販売機がない。公共トイレの利用料が高い。店員は大体怖い。シャイセとよく言う。素直な人が多い。

★歓喜のうた
 年末年始はミュンヘンのガスタイク文化センターでミュンヘンシンフォニカーと共演し、ベートーベンの"第九"を歌いました。2,300席以上あるホールは壮大で、満席から送られる大きな拍手と歓声は鳥肌が立つほどの迫力がありました。ベートーベンが生きたこの国で、歴史あるコンサートホールでプロの音楽家と同じ舞台に立つことができる、これ以上の喜びはありません。貴重な経験になりました。

★留学終盤
 留学生活も残りひと月ほどになりました。ドイツに来て出会った人達を思い返すと少し寂しい気持ちにもなりますが、新しいつながりができたことに喜びもあります。ドイツでできたこともできなかったことも、これからしたいことも今でははっきりと頭に浮かべることができます。残された時間でより自分らしい留学生活を目指したいと思います。

第九合唱@ミュンヘン
第九合唱@ミュンヘン
冬のアウクスブルク大学
冬のアウクスブルク大学

(2011年1月)