ドイツ留学レポート(3)
環境科学部 山元 周吾さん
ドイツ留学レポート(3)
アウクスブルクの大聖堂
★秋から冬にかけて
11月、アウクスブルクは肌寒い季節になりました。夜には氷点下にもなり、昼夜の気温差が一番大きくなるのもこの時期です。今年は雨の日が多かったためか、街や山々を彩る紅葉が本当に美しいです。秋になってもイベントは絶えることはありません。たくさんのかぼちゃオバケや種類の豊富なクッキーを見るとドイツにいることを改めて実感します。秋から冬にかけて世界最大のビール祭りと言われるオクトーバフェストや世界有数のクリスマスマルクトもあり、世界中からの観光客も多く見られます。市庁舎前の広場を露店が日に日に占領していく様子は、ドイツの短い秋が長い冬への助走期間のようにも思えてきます。
★冬学期のはじまり
10月中旬、3ヵ月ある夏休みも終わり新学期が始まりました。ドイツの大学は冬学期から始まるので、学生寮も大学も新しい学生がたくさん集まります。朝早くの授業に向かう学生でいっぱいの満員トラムを見ると、日本の大学となにも変わらないなと口元が緩みます。私は今学期も地理情報学のゼミナールに参加しています。また、大学のオーケストラも次の演奏会に向けて動き始めました。周囲に流されるまま過ごした夏学期に比べて、日常生活も勉強も自分のリズムで進めていけるようになってきました。これはそんな周囲の人達のおかげでもあるのです。
挑戦はやはりするべきものです。
キャンパス
図書館
食堂
★なんちゃってホームステイ
夏休みを利用して友達の実家に短期ホームステイをしました。一人暮らしではわからない家族の生活や会話を体験できました。どの家族も喜んで迎え入れてくれて、とても心休まるひとときでした。やはりお母さんが作る料理はおいしく、家族と一緒にいると楽しいものです。そんなドイツで生活する温かい家族の様子を少しだけ紹介したいと思います。
Dobrescu family
ドブレスク家:ローゼンハイム在住のポール(写真左から2人目)の家族は4人家族+カメです。お父さんはコンサルティングの仕事をしていて、現在はマンハイムで単身赴任をしています。お母さんは機械エンジニアとして働いていて、10歳の妹はギムナジウム*に通っています。長男の彼は大学で経済学と国際ビジネスを勉強しています。将来は父と同じコンサルティングの仕事をしたいと思っています。再来年には日本の会社で2年ほど海外研修をする予定です。週末には彼の幼馴染みと朝まで飲みに出掛けたり、家族みんなで山登りをしました。
Picca family
ピッカ家:ウルム在住のミレーナ(写真左から2番目)の家族は4人家族です。イタリア人のお父さんはトラックを作っている会社の社員です。ドイツ人のお母さんは大学で生物学のアシスタントとして働いています。絵が上手な4歳年上のお兄さんはアウクスブルクでグラフィックデザイナーの仕事をしています。長女の彼女は大学では語学が得意で文学史を専攻しています。将来はその語学能力を活かした仕事に就きたいと考えています。ウルムでは彼女の親友も一緒に回転寿司を食べに行ったり、夜中まで家族でテレビを見ながらおいしいお酒を頂きました。
秋の色と雪山
★冬のドイツへ
雪が降る季節はもうすぐです。ドイツの秋は短いですが、きれいで落ち着いた季節でした。学生に限らず冬が近づくにつれ、寒くなるにつれ屋内で過ごす時間が増えていきます。私もこの機会にじっくり自分と向き合い、来春が楽しみになるような冬の留学生活を送りたいと思います。勿論、冬のドイツもたくさん楽しみます。
(2010年11月)
注)ギムナジウム
ドイツ独特の教育機関。小学校(6歳~10歳)卒業後、大学進学を希望する子供たちが目指す8年制の教育機関。日本の中高一貫教育校に近い。