工学研究科材料科学専攻の上西尚輝さんと世古口太貴さんが、プラスチック成形加工学会関西支部2024年度若手セミナーにおいて、優秀ポスター発表賞を受賞しました
2025年2月20日
1月9日に滋賀県立大学で開催されたプラスチック成形加工学会関西支部2024年度若手セミナーにおいて、本学工学研究科材料科学専攻の上西尚輝さんと世古口太貴さんが優秀ポスター発表賞を受賞しました。
プラスチック成形加工学会関西支部の主催で毎年開催されるこの研究発表会では、プラスチック関連材料の構造やレオロジーに関する学生発表が行われ、その中から優秀な発表を行った学生に対して優秀ポスター発表賞が贈られています。今年度は26件の発表者の中から3件が表彰され、その中の2件に上西さんと世古口さんの発表が選ばれました。上西さんと世古口さんには表彰状と記念のトロフィーが贈呈されました。
発表内容について(上西さん)
題目
ラマン分光法を用いた高密度ポリエチレンの流動結晶化挙動における前駆体の観察
発表者
上西尚輝、木田拓充、竹下宏樹、徳満勝久
概要
ポリエチレンなどの結晶性高分子材料は、溶融状態で強い流動を印加しながら結晶化を行うと、分子鎖が特定の方向に配向した配向結晶が得られ、高い弾性率と強度を示す材料が得られます。このような流動結晶化挙動を解明するために、本研究ではラマン分光法を用いて分子鎖スケールの結晶化挙動を直接観察しました。流動の速度・印加時間を変化させることで、最終的な結晶度や結晶化速度を別々に制御できることが明らかになりました。
発表内容について(世古口さん)
題目
X線散乱法とラマン分光法のその場測定によるエチレン/スチレン/ブタジエン3元共重合体の変形メカニズムの解明
発表者
世古口太貴、竹下宏樹、木田拓充、徳満勝久、会田昭二郎((株)ブリヂストン)
概要
熱可塑性エラストマーとして働く結晶性成分を含む共重合体内には、結晶構造、結晶高次構造、相分離構造等からなる複雑な構造が存在します。このような材料に力をかけ変形させると、材料全体に均一に応力が分散されるのではなく、変形の程度に応じた異なるタイミングで各相内に存在する分子鎖が応力を担うことになります。本研究では、エチレン/スチレン/ブタジエン3元共重合体を対象とし、X線散乱法とラマン分光法を相補的に組み合わせることにより、熱可塑性エラストマーの変形時の応力負荷状態を明らかにしました。