大学院工学研究科材料科学専攻博士前期課程1回生の竹上寛建さんが、11th International Congress on CeramicsでBest Poster Awardを受賞しました

2026年10月14日

大学院工学研究科材料科学専攻博士前期課程1回生の竹上寛建さんが、11th International Congress on CeramicsでBest poster awardを受賞しました。本表彰は、この国際会議(2026年9月6日~11日、札幌コンベンションセンター)のセッション「Science and applications of amorphous materials」において行われた35歳以下の若手研究者・エンジニア・学生のポスター発表の中で、優れた発表を行った発表者に対して贈られるもので、18名の対象者の中から4名に授与されました。

受賞内容について

題目

Thermal Conduction of Alkali Borate Glasses Around the Glass Transition Temperature
(アルカリホウ酸塩ガラスのガラス転移点付近における熱伝導)

発表者

竹上寛建1・山田明寛1・西脇瑞紀1・菅原透2・松岡純1 (1 滋賀県立大学・2秋田大学)

概要

ガラスは一般的に原料を1000°C以上の高温で融解した後、冷却して作られます。ガラス製品の製造では、ガラス転移点*付近で焼きなましを行うことで、熱による割れや変形を防ぎます。そのため、ガラス転移点付近における熱伝導特性は、製造条件を設計する上で重要な物性です。しかし、この温度域で熱伝導を正確に測定できる市販の装置はなく、オリジナルの装置を用いて実験しています。本研究では、異なるアルカリイオンを含むホウ酸塩ガラス**の温度に対する熱伝導特性の変化を測定しました。

ナトリウムおよびカリウムホウ酸塩ガラスでは、ガラス転移点付近で温度の上昇とともに熱拡散率が低下しました。熱拡散率の低下はナトリウム系の方が大きいという結果が得られました。温度上昇に伴うガラスの網目構造の変化はナトリウム系の方が顕著であることが報告されています。したがって、ガラス転移点付近での熱拡散率の低下は、温度上昇に伴うガラスの網目構造の変化によるものと考えられます。熱伝導率はガラス転移点付近で極大値を示しました。これは、熱伝導率を決める比熱と熱拡散率が異なる温度依存性を示すためであると考えられました。

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* ガラス転移点とは、ガラスが硬い状態から、時間とともに流動・変形しやすい状態へ変化する温度域の目安となる温度です。
** 無水ホウ酸(B2O3)を主成分とするガラス。電子部品の封着用ガラスなどに利用されている。