滋賀県近未来技術等社会実装推進事業でIoT位置測位技術を活用
2022年06月20日
公立大学法人滋賀県立大学、株式会社フォーカスシステムズ、滋賀県畜産技術振興センター、株式会社tiwakiは、令和3年度滋賀県近未来技術等社会実装推進事業補助金にて採択された「首輪型IoTデバイスによる近江牛子牛生産の省力化に関わる実証事業」で「子牛の「体調変化の前兆」と「推測される運動傾向」の異常値を発見」するとともに「子牛の位置表示アプリケーションの開発」に成功しました。
●当事業について
肉食牛生産の現場では生産コストの上昇、担い手の高齢化、子牛の生産を行う繁殖経営農家の減少などの課題があり、生産コストの削減、省力化、若い担い手の増加を図る必要があります。生産コストの削減、省力化を図るためのソリューションは既存製品が存在しますが、それらは成牛を対象としたものが多く、子牛をターゲットとした製品は多くありません。当事業では子牛生産の現場に焦点を当て、子牛の健康管理上の省力化、生産コストの削減、それらの実現による若い担い手の増加に貢献するITシステムの開発を行うための基礎実証を行いました。
●実証試験の様子
実証を行った滋賀県畜産技術振興センター
畜舎に設置した指向性受信
位置表示画面のイメージ
●当事業の成果
1) 子牛の位置表示アプリケーションを開発
BLEビーコンと指向性受信機を使用した、畜舎内での子牛の位置表示を行うアプリケーションを開発しました。これにより、畜舎内で飼育している子牛の動きを観測できるようになります。また、同アプリケーションは、計測場所の地図を入れ替えることで汎用的に利用できる仕組みになっており、その他用途への応用が可能です。
2) 子牛の体調変化の前兆と推測される運動傾向の異常値を発見
子牛に取り付けた加速度センサーから得られた子牛の運動傾向データと、子牛の健康記録を突き合わせ相関関係有無を分析した結果、子牛の体調変化の前兆と推測される運動傾向の異常値を発見しました。子牛の体調が悪化する前兆を検知することが可能になれば、早期の治療を開始する事が出来、子牛出荷までの病気による損耗率を低下させることが出来ると考えています。
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