大学院工学研究科材料科学専攻の前田麻美(まえだあさみ)さんが、日本材料学会高分子材料部門委員会主催の2019年度「第101回高分子材料セミナー若手発表会」において「若手優秀発表賞」を受賞しました
2019年12月12日
~各種包装用フィルムや食品充填容器等への応用、更には当該材料のリサイクルを図ることが期待できる技術研究が認められました ~
11月6日に大阪市立大学文化交流センターにて開催された2019年度「第101回高分子材料セミナー 『頑張る若手の“hola(オラ)が研究”自慢4』」において、本学大学院工学研究科材料科学専攻博士前期課程の前田麻美さんの発表が「若手優秀発表賞」を受賞しました。
本賞は、若手口頭発表の中で優秀な発表に贈られるもので、今回は18件の口頭発表から3件が選出され、その中の1件に本学学生の発表が選ばれました。
(発表内容について)
■題目:
エチレンビニルアルコール共重合体の流動性改質および結晶化プロセスに関する研究
■発表者:前田麻美、竹下宏樹、徳満勝久
■概要:
食品包装等のガスバリア材料として多く用いられているエチレンビニルアルコールランダム共重合樹脂(EVOH)を、各種ブレンド材料として利用する際には粘度制御が重要となります。
本研究では、EVOH系材料の粘度制御技術に関する検討を行ったところ、従来法とは異なりある種の添加剤を微量添加することにより、粘度を大幅に上昇させることを明らかにしました。また粘度が増加する要因と高分子の結晶化過程を明らかにするため、レオメーター測定、示差走査熱量測定、陽電子消滅寿命測定、小角X線散乱法等を相補的に用い検討しました。その結果、ある種の添加剤により、結晶化が遅延することを明らかにしました。
この成果は、各種包装用フィルムや食品充填容器等への応用、更には当該材料のリサイクルを図ることが期待できる技術であります。