『留学生×地域 地域資源発掘プログラム』を甲賀市で実施しました

2019年10月23日
 
 

 2019年10月19日(土)~20日(日)の2日間、滋賀県立大学に学ぶ交換留学生6人と日本人学生1人が甲賀市大久保地区にホームステイしながら20人ほどの地域住民とともに里山保全・里山学習を体験しました。

 19日は雨混じりの1日でしたが、到着時から地域の方々に温かく受け入れていただいたお陰で、学生たちはすぐに打ち解けました。学生・地域住民それぞれが自己紹介ののち、地域が2002年より里山再生に情熱を注いできた「楽花園」地域で山道の保全活動を行いました。

 古くなった木の階段を地域の方々に教えていただきながら新しく作り直しました。最初は慣れない手つきでしたが、大きな木槌を振りかざして杭打ちも行いました。

その後、大久保地区営農センターで、里山と甲賀忍者についてスライドを交えて地域の方から説明を受けました。県立大での授業で学んだ里山や修験道を思い出しながらうなずいている留学生もいました。

 夜はバーベキューをしながら地域の方々とさらに交流を深めました。地域の方々は熱心に留学生に話かけてくださり、ドイツ、台湾、中国、モンゴルからの留学生たちも自分たちの国の自然や文化について片言の日本語で精いっぱい説明しました。

 その夜は地域のお宅にホームステイしました。

 翌日は午前中から山中を歩き、薬草の見極め方などを学びました。学生たちは現物の前にして説明を受け、手で触れ・においを嗅いで確認していました。

 その後、楽花園を離れて甲賀市大久保地区に点在する生水(しょうず)を巡りました。生水はこの地域の伏流水が湧き出す所で、昔は野菜の洗い場として地域で共有してきたという説明を聞きました。学生からは、このような共有の水源は災害などの非常時に使えるのではないか、といった質問が出ました。 

 大久保地区では災害対策についても地域で取り組み始めたところであり、里山とともに生水は、地域にとって非常時の重要な資源になると話していました。

 今回のプログラムは、甲賀市大久保地区の自治会役員・住民、SATOYAMA+(地域の里山保全団体)、甲賀忍術研究会、そして滋賀県立大学が協働して作り上げました。2日間のプログラムで、里山保全活動、里山・甲賀忍者についての勉強会、里山での現地学習と、盛りだくさんの内容でした。留学生たちは県立大で里山・修験道についての事前学習を受けていたので、日本人と自然との関係について自分なりの考えを持ち始めてきました。学生たちからの様々な意見や質問は、自らの地域の将来を考えるうえで住民の方々にとってとても参考になるものであるという声を聞きました。

 地域が将来にわたって存続するために、多様な主体間の連携を深め、地域が持てる資源(森、水、薬草など)を有効に活用し、持続可能性を高めることが大切です。大久保地区が早い段階からこれを認識し、様々な活動を通して地域力を高めていると感じました。留学生を地域で活動させるという今回のプログラムが、大久保地区の地域力を高めることに役立ったことを願っています。

 

留学生複数人と地域の方が語り合っている
留学生がスコップで土を掘る様子
 
和室でプレゼンテーションを行う様子
留学生複数人と地域の方が資料片手に散策
 

 

留学生複数人と地域の方で散策その2
留学生複数人と地域の方で散策その3
 

 

 本件の問合せ先:滋賀県立大学 全学共通教育推進機構 

         特任准教授 島田和久(国際交流担当)

              shimada.k@office.usp.ac.jp

 (※このプログラムは、令和元年度滋賀県立大学SDGs特化型地域課題研究の助成を受けて実施されました。)