大学院工学研究科電子システム工学専攻修了生の宮下充浩さんらが、日本医用画像工学会の「2018年度田中栄一記念賞(MIT誌論文賞)」を受賞しました
2019年7月24日~26日に奈良春日野国際フォーラムで開催された、第38回日本医用画像工学会大会の2019年度総会において、大学院工学研究科電子システム工学専攻修了生の宮下充浩さんらの原著論文が、日本医用画像工学会の「2018年度田中栄一記念賞(MIT誌論文賞)」に選定されたことが報告され、尾川浩一会長より宮下さんと畑中裕司准教授に表彰状と記念品が手渡されました。
本賞は、学会誌Medical Imaging Technology(MIT誌)の「研究」カテゴリーに掲載された原著論文の中から毎年最優秀論文を選定して表彰するものです。
(受賞した論文内容について)
■論文名:
畳み込みニューラルネットワークを用いた眼底画像における毛細血管瘤の自動検出
■著者名:
宮下 充浩, 畑中 裕司, 小郷原 一智,村松 千左子, 砂山 渡, 藤田 広志
■発行号・頁:
第36巻4号, 189-195頁
■DOI:
https://doi.org/10.11409/mit.36.189
■概要:
人工知能の代表的なディープラーニング(深層学習)技術である畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いて、眼底検査画像から糖尿病網膜症の初期所見である毛細血管瘤を自動検出する処理を世界に先駆けて開発し、宮下さんを中心としてまとめた論文です。毛細血管瘤は眼底画像上で直径数画素~十数画素の暗くて小さな点状であり、医師が見つけることは重労働です。国内で年間320万人以上が受診する人間ドックで眼底検査は必須項目であること、その他の検診でも必須または選択検査として眼底検査が導入されていることより、今後の波及効果が期待されます。また、また、論文投稿の時点では、小さな点状領域をCNNで検出した報告が国内外ではみられませんでした。マンモグラフィの微小石灰化の検出、工業用途などの産業応用にも期待されます。なお、本論文は、ディープラーニングを用いた初めてのMIT誌論文賞として選定され、学会の40年の歴史に新たな一歩を踏み出す名誉ある受賞論文となりました。
■田中栄一記念賞(MIT誌論文賞)受賞者一覧
http://jamit.jp/outline/history/ronbunsho-list.html