大学院工学研究科材料科学専攻の西村暢哉(にしむらのぶや)さんが、日本レオロジー学会 高分子加工技術研究会主催の2019年度「第31回高分子加工技術討論会」において「学生優秀発表賞」を受賞しました

2019年12月13日
 

~高強度のプラスチック材料を作るための新しい指針となりうる研究成果が認められました~

10月24日〜10月25日に名古屋市工業研究所において開催された「第31回高分子加工技術討論会」において、本学大学院工学研究科材料科学専攻博士前期課程の西村暢哉さんの発表が「学生優秀発表賞」を受賞しました。

本賞は、研究会で行われた学生口頭発表の中から優秀な発表に贈られるもので、今回は13件の口頭発表から2件が選出され、その中の1件に本学学生の発表が選ばれました。西村さんには賞状と盾が贈呈されました。

受賞された西村君 「学生優秀発表賞」を受賞された西村さん

(発表内容について)

■題 目:

環状分子がポリオキシメチレンの結晶化へ与える影響

■発表者:

西村暢哉、竹下宏樹、徳満勝久

■概 要:

プラスチック材料の成形加工において重要となる高分子の結晶化挙動は、高分子が星型、環状、線状のような特殊な形状を持つとき大きく異なります。エンジニアリングプラスチックとして知られるポリオキシメチレンでは、その合成過程において環状の分子が数%生成され、それが結晶化に大きな影響を与えることが知られています。

本研究では、このポリオキシメチレンを対象とし、線状高分子中に環状分子が混在する系での結晶化挙動に着目した研究が行われました。環状分子が含まれない場合と比較して、環状分子を多く含むほど結晶生成数が増加することがわかりました。また、試料に力をかけた際の内部の空孔の生成しやすさは、環状分子含有量に依存することも分かりました。

この結果は、高強度のプラスチック材料を作るための新しい指針となりうるものです。