環境科学部生物資源管理学科の泉泰弘教授が、第17回日本作物学会論文賞を受賞することが決定しました
2019年11月7日
このたび、環境科学部生物資源管理学科の泉泰弘教授が、第17回日本作物学会論文賞を受賞することとなり、2020年3月26日および27日に茨城県つくば市で開催される第249回講演会において表彰される予定です。
この賞は、日本作物学会紀事(研究論文, 研究・技術ノート, 総説)およびPlant Production Science誌に発表された論文(Regular paper, Short report, Research and Technical Note,Review)の中から、とくに優れた論文の著者である会員に対して日本作物学会が授与し、これを表彰するものです。
http://www.cropscience.jp/award/award_04.html
泉教授にとって同賞の受賞は第3回(2006年)、第10回(2013年)に続いて3度目ですが、過去2回は共著者としての受賞であり、筆頭著者としては今回が初めてとなります。
受賞対象論文
Yasuhiro Izumi, Shinji Okaichi, Simon K. Awala, Yoshimasa Kawato, Yoshinori Watanabe, Koji Yamane & Morio Iijima 2018. Water supply from pearl millet by hydraulic lift can mitigate drought stress and improve productivity of rice by the close mixed planting. Plant Production Science 21(1): 8-15.
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/1343943X.2018.1428494
論文の概要
雑穀のトウジンビエとイネ(陸稲)を混植すると、前者の深根が吸収した土壌下層の水がハイドロリックリフト現象によって上層に放出され、後者はそれを利用することで厳しい乾燥ストレスを回避することができると考えられる。この仮説を重水を用いたモデル実験によって実証した。
一方、滋賀県立大学圃場実験施設ではフィールド試験を実施し、単作イネの収量が皆無となるような厳しい乾燥ストレス条件下でもトウジンビエと混作したイネでは実際に籾収量が得られることを明らかにした。
滋賀県立大学圃場実験施設