環境建築デザイン学科4回生の山梨由貴さん、環境科学研究科博士前期課程1回生の椎葉眞結さんが、2022年度日本造園学会関西支部大会研究・事例発表において、関西支部賞を受賞しました
2022年11月07日
環境建築デザイン学科4回生の山梨由貴さん、環境科学研究科博士前期課程1回生の椎葉眞結さんが、2022年度日本造園学会関西支部大会研究・事例発表(2022年10月23日、兵庫・神戸大会)で、関西支部賞を受賞しましたのでお知らせいたします。
本賞は、日本造園学会関西支部大会の研究・事例発表(口頭発表・ポスター発表)において優れた発表が選定され、今後一層の発展が期待される若手発表者の中で、優秀な発表者に授与されるものです。
■山梨由貴(口頭発表)「三島市街地の湧水河川における空間構成と人々のかかわり~河川別の空間特性に着目して~」
静岡県三島市の市街地には、富士山の伏流水が流れており水辺空間の活用がみられます。三島市街地を流れる複数の湧水河川を対象に、河川空間の構成と人々のかかわりとの関係性を明らかにする研究です。接川形態の類型化により、桜川は道路と接する区間の割合が大きいのに対し、御殿川では建築物同士に挟まれている区間が長いこと等が把握されました。両河川を比較すると沿川土地利用の特性にも差違が現れていることから、接川形態が敷地空間に影響を与えていることが捉えられました。また、表出にも差違が認められ、特に御殿川では河川へのアプローチに造作等もみられました。空間構成による河川空間利用への影響を明らかにするとともに、親水整備に限らない多様なかかわりについて比較考察を試みています。地域用水における文化景観継承や自然再生による環境共生など、かわまちづくり・PPPやグリーンインフラをはじめ、Well-beingへの貢献が期待されます。
●写真「三島・桜川における湧水空間と子どもたち」(山梨)
■椎葉眞結(口頭発表)「宮崎県椎葉村集落における移住者と椎葉型民家の住み継ぎ」
宮崎県椎葉村において一列平面形式の椎葉型民家を改修し住まい手の変化に伴う住み継ぎの提案を行ったものです。過疎化高齢化の進む村の集落では民家の空き家化に加え、移住者促進のための滞在場所や研修場所が不足しているという課題を抱えています。椎葉型民家には狩猟中心であった山の暮らし、民俗芸能の椎葉神楽などが民家の機能に大きく影響を与えており、また、傾斜地にあるが故の特徴的な構法や土地利用の方法などがあります。椎葉型民家の住まい手が移住者に変わる際に、新たに必要な機能と民家の持つ伝統的空間構成と歴史的価値を継承する方法を調査から得られた結果より提案しています。丹念な調査に基づき、集落と建築の持続可能性に向き合った成果といえます。
●図「椎葉村・佐礼集落の模式図」(椎葉)