修了生の声
秋吉 美典(CNSコース慢性疾患看護学分野 2020年度 修了)
私は、滋賀県の湖北地域にある市立長浜病院で勤務し、循環器科と心臓血管外科の混合病棟に配属されていました。看護師としては15年目、配属されて5年目の頃に、指定難病であるミトコンドリア病で心不全を発症され入退院を繰り返しておられる患者様を担当しました。この患者様との関わりを通じて、慢性疾患と共に生活する中で生じる様々な困難を知り、慢性疾患を抱えながら生活する患者様の思いを大事にして支援していきたいと考えるようになりました。そのために慢性疾患を有する患者様に対する看護をもっと学びたいと考えました。
そこで、2018年に慢性疾患看護専門看護師の資格取得のため滋賀県立大学人間看護研究科CNSコース慢性疾患看護学分野に進学しました。大学院では、慢性疾患患者の専門的な知識や慢性疾患患者に対する看護に活用していくことができる看護理論を学ぶことができました。私は長期履修制度を利用し臨床での仕事と学業の両立をしていましたので、大学院での学びをすぐに看護実践に活用していくことができました。そして、自分が行った看護実践を分野の先生方や院生とディスカッションすることで振り返り、さらに学びを深めていくことができました。
授業は、自分で講義内容について学びプレゼンテーションを行うことが多く、事前準備が大変でした。しかし、探求すればするほど広く深く学ぶことができました。
実習では、先輩CNSに直接指導していただき、自分が行った実践がどのような思考から行ったものなのかをディスカッションすることでCNSの思考と実践を学ぶことができました。
滋賀県立大学は長期履修制度を利用することができ、今までの臨床でのキャリアを継続しながら学ぶことができるところが魅力です。臨床と学業を両立させたことがCNSの資格取得につながったと思っています。
原 洋子(助産学部門 助産師育成コース 2020年度 修了)
私は看護師になって20年余。その約半分を周産期医療に携わってきました。この10年程の間に、妊産婦を取り巻く環境は大きく変化しました。妊娠や出産のスタイルも多様化し、対応が難しい事例もたくさんありました。そんな時、もっと専門的な知識や経験があれば、今よりも妊産婦さんに寄り添えるのではないかと考え、助産師を志すことにしました。同時に、日々業務に追われ、過ぎていく一つ一つの看護について基本に立ち返り、学び直す時間が欲しいとも思いました。そして、その両方が叶う人間看護学研究科の助産師育成コースに進学することにしました。
一旦臨床から離れ、学校で学ぶことで見えた景色は想像を超えるものでした。そして、研究を通して根拠に基づいた上で、看護につなげることの大切さも学びました。家庭と学業の両立はたいへんなこともありましたが、家族や友人、先生方のささえがあり、とても充実した時間にする事が出来ました。
わたしは今、助産師として臨床に戻り大学院で学んだことを生かし、新鮮な気持ちで妊産婦さんに向き合っています。
櫻木 秀幸(基盤看護学分野 2019年度 修了)
私は、看護師になって臨床経験10数年が経ったある時、私自身の看護師としての存在意義を問われるような倫理的問題に直面することで、臨床現場で働く看護師は、自身の看護師としての役割や存在意義をどのように捉えながら実践しているのかという問いが生まれました。また、ゆっくり時間をかけて自分の課題と向き合いながら研究がしてみたいと思い、滋賀県立大学人間看護学研究科に入学しました。
臨床現場での仕事と大学院のかけもちで、仕事が終わってから夕方の講義に出席したり、土日など休みの日は集中講義があったりと、想像以上にハードな毎日で何度も挫けそうになりました。でも、指導教員の先生からの手厚い指導を受け、また講師の先生方の協力を得ながら自分のライフスタイルに合わせて研究を進めることができました。
さらに、大学院の講義では難しい看護理論や多くの先行研究文献と向き合いながら、レポートの提出や大学院でのプレゼンテーションなど課題も多く、非常に苦慮したことを覚えています。しかし、院生同士で励まし、協力し合いながら切磋琢磨することで、楽しく学びの多い非常に充実した大学院生活を終えることができました。
これからも看護師として臨床現場で働いていく上で、大学院で得た知識や経験を活かし自分が理想とする看護を探求し続けていきたいと思っています。