環境政策・計画学科

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社会を形成している市民、行政、企業の行動を環境調和型に導く政策、計画、実践の技法を身につけるための教育を行っています。環境政策・計画を立案する能力を磨き、総合的な観点から環境問題解決に貢献できる人材を育成します。実際のまちづくりや環境活動に積極的に関わりながら、持続可能な社会を描く柔軟な発想力と構想力、そして現場における実践力とコミュニケーション能力を身につけることができます。

人材の養成に関する目的 アドミッションポリシー カリキュラムポリシー ディプロマポリシー

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学びのポイント

環境問題と向き合い、環境と調和した社会を形成するためには、自然生態系と人間社会の幅広い視野から考える必要があります。本学科では「幅広い視野で物事の見通しを立てることができる人」の育成を目指した学習プログラムを展開しています。実際の現場での調査やデータ分析に加え、集団における話し合いの進行やヒアリング等、現場をマネジメントするスキルも養成します。環境のスペシャリストという立場で市民や行政、企業に対して政策や計画を立案し、持続可能な社会に導いていくための能力を磨きます。

  • ポイント1

  • 文理を問わず幅広い視野で環境と向き合う

    文理双方の専門知識と方法論を学ぶことで、実社会で求められる総合的な力が身につきます。

  • ポイント2

  • 幅広い分野で役立つ実践的スキルを習得

    データ分析やマネジメント、場のデザイン、コミュニケーション等、現場で必要とされるスキルを磨きます。

  • ポイント3

  • 自分自身で課題を設定し、解決策を提案

    現場でのフィールドワークや行政職員・地域住民などへのヒアリング調査を実践し、実社会の課題に取り組みます。

学びのステップ

1年次〜3年次前期 基礎となる理論を学ぶ

環境政策・計画の専門家としての一歩を踏み出す。そのための基礎的な理論を徹底して学びます。

専門科目の例 環境科学概論、基礎統計、応⽤統計学、応⽤数学、環境政策学、環境計画学、環境経営学など

1年次・2年次 現場スキルの基礎を学ぶ

社会経験の豊富な教員陣から、専門家として社会に関わりそして働きかけていく。社会経験の豊富な教員陣から磨き抜かれたさまざまなスキルを学びます。

専門科目の例 地域調査法、市民参加論、政策形成・施設演習、環境フィールドワーク、ファシリテーション技法・演習、政策計画基礎演習など

1年次~3年次 発展的な専門科目について学ぶ

基礎から応⽤へ。環境政策・計画の専⾨家としての幅広い知識を⾝に着けます。環境政策・計画に関わる各分野について、基本的な考え⽅から最新の知⾒まで学びを深めていきます。

専門科目の例 地域システム論、環境⼼理学、環境社会学、環境法、⽔環境政策論、地域開発論、環境経済学、廃棄物管理論、環境財政など

2年次・3年次 発展的な現場スキルを実践的に学ぶ

最先端の情報を取り入れた実務に直結する講義科目と、グループワークを通じて実際に社会貢献活動や政策提案を行う演習科目により、プロフェッショナルとして活躍する準備を整えます。

専門科目の例 社会システム分析設計・演習、環境政策デザイン論・演習、環境マネジメント演習、合意形成⽀援技法・演習、環境情報、環境アセスメント、GIS演習など

専門科目の例

政策形成・施設演習

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各回、担当教員が専門分野の最先端の内容について講義・ディスカッション・現場ツアーを実施し、進路について考えを深められる学びを展開しています。

政策計画演習

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社会で起こっている問題の解決策を探るため、データや現場の声を収集し、分析を行います。

卒業研究

持続可能な地域づくりに関するテーマ

「小さな自然再生」はなぜわくわくするのか?

水辺の小さな自然再生は、日曜大工のようなちょっとした工夫で生き物の居場所をつくるとりくみです。この活動に加わるとなぜか「わくわく」します。そこで、「わくわく」の秘密を明らかにしたい!と考えました。

(2023年度卒業研究より)

こんな調査をしました

「小さな自然再生」の活動の参加者約300名にアンケート調査を実施し、共分散構造分析(複雑な関係性を探る統計の方法)を行いました。その結果
・リピーターは「新たな知識を得ること」で、
・未経験者は「何かをつくること」で、
よりわくわくすることが分かりました。そういうことか!と腑に落ちるおもしろい結果になりました。

(学術論文)上田杏樹、和田彰、白尾豪宏、瀧健太郎(2024)「小さな自然再生」による"わくわく"の発生と伝播に関する研究、土木学会論文集G(環境)、80(26)、24-26025(2025年1月J-Stageで公開)

担当教員:瀧 健太郎 先生

環境経済学に関するテーマ

環境問題、実は経済と深くつながっているって知ってた?廃プラスチック貿易の要因は?

2017年に中国が廃プラスチックの輸入規制を実施して以降、先進国からの廃プラスチックの輸出先は東南アジア諸国に移っています。現地では、その一部はリサイクルされているものの、野積みや不法投棄も多く、貿易を通じてプラスチックごみ問題が他国にも波及しています。

(2022年度卒業研究より)

こんな分析をしました

物理学の万有引力の法則を応用した重力モデルと国連貿易統計を用いて、廃プラスチック貿易の要因について計量分析を行いました。重力モデルにおいては、貿易量に対して都市の経済活動規模の大きさがプラスに、2都市間の距離がマイナスにそれぞれ働くと考えます。その他の要因として、リサイクル技術の水準、環境規制、貿易規制を考慮しました。

担当教員:林 宰司 先生

水環境のプラスチックごみ問題に関するテーマ

琵琶湖のプラスチックごみ問題について住民はどの程度リスクを感じている?

世界中でプラスチックごみが問題視されていますが、琵琶湖内にどのくらいのプラスチックごみやマイクロプラスチックがあるのか、流域からどのくらい入ってくるのか明らかになっていません。この様に正確な状況や被害が不明な問題に対して滋賀県民がどの程度リスクを感じているのか明らかにしました。

(2023年度卒業研究より)

こんな調査をしました

環境問題に関心のある滋賀県民の方を対象にワークショップを開催し、琵琶湖のプラスチックごみ問題に対する不安や疑問を尋ねるとともに、プラスチックごみを減らすための日常的な取り組みについて把握しました。

担当教員:平山 奈央子 先生

TEACHER'S VOICE

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人間社会と環境との関係について、文理融合の立場から学びます。本やネットだけに頼るのではなく、琵琶湖の流域はもちろん、日本各地の集落や街、外国の水辺や集落、街などにじかに足を運び、そこで生活し、働く人々と対話するところから始めます。「答えを探すな。"問題"を探せ。」―これが、私たちのモットーです。

環境科学部 環境政策・計画学科長
村上 一真 教授

CAMPUS LIFE

STUDENT'S VOICE

環境科学部 環境政策・計画学科
4回生
井上 祐貴さん
(私立京都成章高等学校 出身)

一日のスケジュール(例)

8時30分 通学
9時00分 【1限】水環境政策論
10時40分 【2限】廃棄物管理論
12時10分 昼休み
13時10分 【3限】地域調査法演習
14時50分 【4限】レポート課題を実施
16時30分 【5限】政策計画演習(卒論)
18時00分 課外活動

資格・キャリア

取得可能な資格一覧

  • 教員免許〈高等学校教諭一種(公民)〉
  • 学芸員資格
  • 社会調査士資格
  • GIS学術士資格
  • 自然再生士補資格
  • 地域調査士資格
  • 社会福祉主事任用資格

※資格の取得には、大学が定める所定の科目の履修と単位取得が求められます。

主な進路 (2021~2023年度)

就職先 パナソニック(株)、富士通Japan(株)、大和ハウス工業(株)、(株)LIXIL(株)TOKAIホールディングス、(株)平和堂、西日本旅客鉄道(株)、(株)三井住友銀行、(株)滋賀銀行、国土交通省、大阪府、大津市、名古屋市 など
進学先 滋賀県立大学大学院、東京工業大学大学院、東北大学大学院 など