2019/10/08
9月27日〜9月30日に金沢大学角間キャンパス(石川県金沢市)において開催された「日本陸水学会第84回金沢大会」において、本学大学院環境科学研究科環境動態学専攻の辻一真さんが、「優秀口頭発表賞(未来開拓枠)」を受賞しました。
本賞は審査対象となる発表のうち、学部生または博士前期課程の学生が行う口頭発表の中で優秀な発表に贈られるものです。21件の発表から5件が受賞、うち2件の未来開拓枠に本発表が選ばれました。大会3日目の夜に開催された懇親会において受賞が公表され、最終日の表彰式にて中野伸一学会長より表彰状と副賞が手渡されました。
(発表内容について)
■題目:
陸水中に存在する各種ホスホン酸および亜リン酸の定量
■発表者:
辻一真、丸尾雅啓、小畑元
■概要:
これまで陸水におけるリン循環の過程では関心がもたれていなかったホスホン酸類と亜リン酸の代謝は、リンの生体内循環過程の一部に含まれるという見方が近年強まってきています。
リン制限状態にある水域では、バクテリアによりホスホン酸が普遍的に利用されている可能性が高いにもかかわらず、水中のホスホン酸を正確に定量した報告はなく、亜リン酸も一部の河川や富栄養湖水中における報告しかありませんでした。
本発表では淡水中に存在するメチルホスホン酸及び亜リン酸の高感度定量法開発に成功したことを利用して、河川水、湖水等の実際の分析結果を示すとともに、メチルホスホン酸の前駆体物質である2-ヒドロキシエチルホスホン酸やエチルホスホン酸の高感度定量法の開発についても触れています。
今後多様なホスホン酸の定量にこの方法を適用すれば、湖水とプランクトンにおけるリン循環の全体像を明らかにできると期待されます。