材料科学専攻博士前期課程の田中秀治さんが、マテリアルライフ学会「第36回研究発表会,特別講演会」において研究奨励賞を受賞しました
2025年11月10日
2025年7月3日〜4日にShimadzu Tokyo Innovation Plaza(川崎)で開催されたマテリアルライフ学会「第36回研究発表会,特別講演会」において、本学大学院博士前期課程2年生の田中秀治さんが「研究奨励賞」を受賞しました。
この賞は、大会2日間に行われた教員・社会人を含めた口頭発表の中から、特に優秀と認められた発表に贈られるものです。今回の大会では、審査対象となった口頭発表18件のうち2件が選出され、田中さんの発表がその一つに選ばれました。
発表内容について
題目
γ線照射による架橋が高密度ポリエチレンの構造と疲労寿命へ及ぼす影響
発表者
田中秀治、竹下宏樹、木田拓充、徳満勝久、出崎 亮(量子科学技術研究開発機構)
概要
本研究は、高密度ポリエチレン(HDPE)の繰り返し変形に対する強さ(疲労耐性)を高めるため、放射線の一種であるγ(ガンマ)線を使った改質の可能性とその原理の解明を目指したものです。ガンマ線を当てると、HDPEの結晶化していない部分において架橋が起こり、動きが制限されます。ある程度以上の線量(医療用の滅菌に使われるレベルの放射線量)を照射すると、材料の弾性率や疲労耐性が向上し、繰り返しの力でも壊れにくくなることが分かり、ガンマ線照射がプラスチック材料の長期耐久性を高める有効な方法であることを示しました。



