工学研究科材料科学専攻の山内瑞生さん、大野羽未さん、馬場大さんが第75回高分子学会年次大会優秀オンデマンド発表賞を受賞しました

2026年7月17日

大学院工学研究科材料科学専攻博士前期課程2回生の山内瑞生さん、博士前期課程1回生の大野羽未さんと馬場大さんが、第75回高分子学会年次大会で優秀オンデマンド発表賞を受賞しました。高分子学会年次大会は公益社団法人高分子学会が主催する三大行事のひとつであり、今年は5月11日~15日にオンライン開催されました。今回、約400件の事前録画したプレゼンテーション動画によるオンデマンド発表の中から、予稿原稿の内容による第一次審査、プレゼンテーション動画をもとにした第二次審査を経て、85件の優秀オンデマンド発表賞(うち、学生部門81件)が選出されました。

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受賞内容について(山内さん)

題目

感温性高分子マイクロゲルの架橋密度がコロイド結晶化挙動に及ぼす影響

発表者

山内瑞生、竹下宏樹、木田拓充、徳満勝久(滋賀県立大学)

概要

温度変化によって自発的に整列し、特定の光を回折して鮮やかな構造色を示す「コロイド結晶」は、次世代の光学材料として期待されています。従来の剛直な粒子とは異なり、柔軟性や変形能を持つ「ソフト粒子」を用いた結晶化は未解明な部分が多く残されています。本発表では、温度応答性を持つ高分子マイクロゲルに着目し、架橋密度を緻密に制御することで粒子の硬さを変化させ、その結晶化挙動への影響を評価しました。その結果、柔軟な粒子ほど自身の形状を変形させることで最密充填限界を超えて密に凝集し、独自の面間隔を持つ結晶を形成することを見出しました。本成果は、粒子の柔軟性を活かした新規な光学機能材料の設計指針を与えるものです。

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山内さん

受賞内容について(大野さん)

題目

混合溶液系における両親媒性マレイミド/ビニルエーテル交互共重合体の溶解挙動と共良溶媒性

発表者

大野羽未1、伊田翔平1、領木研之2、井田大地2、寺島崇矢2、金岡鐘局1(1滋賀県立大学、2京都大学)

概要

高分子が水などの溶媒に溶ける振る舞いは、一般に高分子を構成する成分(モノマー)と溶媒との親和性によって決定されます。発表者らのグループでは最近、大きく極性の異なるマレイミドモノマーとビニルエーテルモノマーを交互に配列させたポリマーが、水/エタノール中で「共良溶媒性」を示すことを発見しました。本研究では、ポリマーの構造を変化させることで、共良溶媒性を示すポリマーを新たに合成しただけでなく、水/エタノールだけでなく複数の混合溶媒系で共良溶媒性が発現することを見出しました。また、高分子系では極めて珍しいこの現象の発現機構を解明するための試みも行いました。

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(左)馬場さん、(右)大野さん

受賞内容について(馬場さん)

題目

水素結合性セグメントを外層部に有する星型ブロックポリマーの精密合成とそのフィルム力学特性

発表者

馬場大、伊田翔平、金岡鐘局(滋賀県立大学)

概要

中心の核にアーム鎖と呼ばれる多数のポリマーが結合した構造を持つ星型ポリマーは、その高密度な分岐構造に基づいた特徴的な特性を示すことが期待されます。特にフィルムなどの固体状態では、アーム鎖同士が互いに貫入して存在すると考えられ、このアーム鎖同士が強固に相互作用すれば、材料としての強さが格段に向上すると考えられます。本発表ではこの考えに基づき、効果的に相互作用すると考えられる星型ポリマーの外層部に、水素結合相互作用を形成する部位を精密に導入した星型ポリマーを合成しました。また、力学特性を調べたところ、導入した水素結合性部位の長さや量によって、材料の強靭さが大きく向上する可能性を見出すことができました。