2015/11/11
滋賀県立大学人間文化セミナーを下記の通り行います。
是非お越しください。
記
●演題:
『コクリコ坂から』と戦後日本
●講師:
愛知教育大学 国語教育講座 奥田浩司 准教授 (博士(文学))
●日時 :
平成27年11月17日(火) 16時30分~18時00分
●場所 :
滋賀県立大学 A7-101 中講義室
●対象 :
学生・教職員および一般(参加無料、予約不要)
【講師紹介】
米村みゆき編『ジブリの森へ』(森話社2003年)の第3章「『紅の豚』と〈非戦〉〈九・一一〉以降」を執筆担当するなど、講師はジブリアニメに潜む文学作品性に注目してきた研究者の一人である。
金沢大学大学院文学研究科修了 修士(文学)
名古屋大学大学院文学研究科修了 博士(文学)
【講義内容】
ジブリのアニメーション映画は娯楽作品として親しまれている。また大衆文化として受容され、観客から高く支持されてきた。
しかし、ジブリアニメを娯楽作品としての面のみから捉えてしまうと、何かを見過ごすことになりかねない。例えば宮崎駿の最後の長編アニメと考えられている『風立ちぬ』(2013年)では、「戦争」を背景として取り込んでおり、その意味でこの作品はたんなるエンジニアの物語ではない。宮崎駿の様々な発言を見ても、現代社会に対する批評性は際立っている。したがって、文化的、社会的な視点から見ることで、作品を掘り下げることができると考えられる。
『コクリコ坂から』(2011年)は、監督は宮崎吾朗であるものの、企画・脚本は宮崎駿が担当している。この作品は、東京オリンピックを間近にした、復興期の日本を舞台にしている。同作品を仔細に眺めてみると、日本国憲法、朝鮮戦争、ヴェトナム戦争などが書き込まれていることに気づく。戦後日本における「戦争」との関わりが、隠れたモチーフとなっているのではないだろうか。
本講座では、『コクリコ坂から』に書き込まれている様々な歴史的記述に焦点をあて、作品に底流している戦後日本と「戦争」の関係性を明らかにしていく。
●問い合わせ先:
〒522-8533 彦根市八坂町2500番地
滋賀県立大学 人間文化学部
TEL 0749-28-8401 FAX 0749-28-8479
主催 滋賀県立大学人間文化学部
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